Vine Linux Installation

1.Vineの選択
 参加しているLinux関係のMLでRedHatの一部のデーモンでの脆弱性が話題となり、Vineを選択してみることにした。インストールと多少のカスタマイズを記録しておく。

2.書籍の購入
 最新パッケージは月刊誌などの付録として添付される事も多いが、基本的にこういうパッケージにはなにがしかの不具合が潜んでいる事がある。後で苦労しない為にもいくらかの解説が掲載されている書籍を購入したいところである。
 早速書店へ出かけてみると、ちょうど売れ筋の書籍の紹介があり、しかもVineLinux2.1であった。迷わず購入し、早速自宅のFMV5133/D5へのインストールを試みる事にした。

3.インストール
 購入した書籍には、インストール手順が全く掲載されていない。これは購入前にも確認できていたが、基本的にRedHat系であることから不安は抱いていなかった。
 インストーラーを起動すると、RedHatとほとんど同じGUI画面で進行する。注意点は以下の通り。

 インストーラのLILO設定画面では「リニアモードを使用する」がOFFになっている。しかし実際SCSIを検出するPCでは確実に必要になると思われる。実際FMV5133/D5ではLILO自体が起動してこない現象が発生した。 →現象:「LIの表示で停止したまま動かない」

 以後は必要に応じてパッケージを選択するのみで、特に注意する点は無いと思われる。ビデオカードの検出も正常であった。

4.起動後
 起動後最初に行ったのは、ICQクライアントのダウンロード&インストールである。これは自宅のPCをインターネットへアクセスする端末としての利用を想定していた為であり、WindowsPCから簡単にURIなどをLinuxPCへ送り込む目的があったのである。
 RedHatは少し前に7Jを体験していたが、パッケージのダウンロード&インストールではほとんどと言って良いほど失敗していた。同時に起動しているプログラムを巻き込んで落ちてしまうのである。
 一方Vineではそう言った現象が発生しない。GUIでrpmをWeb検索し、インストールを指示するとしっかり入ってくる。こういった安定性は評価できる。
 一通り管理者での設定が完了した段階で、ログアウトし、目的のユーザーでログオンする。以後はユーザーの設定である。デフォルトはフォントサイズが少し大きめであるようだ。微調整を加えてデスクトップも飾ってみる。う〜ん、なかなか見栄えの良いデスクトップでは無いか。スナップショットはまだ撮っていないが、誰かに要望された段階で公開しよう(笑)

 ICQクライアントは、 gnomeICUである。導入してすぐに日本語が利用できる事が条件であり、比較的構築の手間が無いものを選択した。これは簡単に設定できるであろう。
 次にメールクライアント。最近のディストリビューションにはSylpheedが入っているようであるが、RedHatでは標準のメーラーとは認識しないようで、リンクを作成する必要があった。Vineはメニューに入っている。必要なメールアドレスを設定し、シグネを書いて出来上がり。試しに受信してみるといきなりMLから山のようにとんできた(爆)
 即座にフィルタを設定し、メールを振り分ける。一旦inboxに入ったメールでも、その後から設定したフィルタを有効にさせる事が出来るので便利。欲を言えば、未読を順に読んでいって、戻ろうと思った際にはどこへ戻れば良いのかわかりにくい点であろうか。まあ、落ち着いてメールを読む事も無いからさほど必要性も無いかな。

 次はブラウザ。Netscapeが標準で入ってくるが、バージョンは4.75であった。RedHatではスタイルシートを記述しているサイトでリンクをクリックするとブラウザがクラッシュしていたが、実際Vineでも同様であった。かろうじてCoreはたまらないが、NetscapeにLockが置いたままになる。Fontpathは確認してみたが問題無い様子。そこでブラウザ設定でスタイルシートをオフにしてみた。以後は滅多にクラッシュしていない。時折ふっと画面から消えてしまうことがあるが、プロセスは生きているので復活可能。

 こうやってVineLinux2.1の環境は整って行くのである。

 FMV5133/D5へインストールした限りでは、RedHatに比較すると使い勝手もかなり良いように感じた。一つだけ不満を言えば、インストール媒体にKDEが無かった事である。実はもう一つ買い求めたVineでもKDEは入っていない。これはVineProjectの方針なのか。。。

5.ノートPCでマルチブート
 事務所のデスクへNEC VersaPro/VA50Hを導入した。HDDを10GBほど持っている機種なので、まずWindows環境には十分すぎる。そこでマルチブートにしてVineを入れようと決意。早速手順を記録して行こう。

 VA50HのHDDのパーティションは、二つの領域に切ってある。ドライブCは約2GBでFAT16であり、残り約8GBはFAT32で空っぽ。この構成はおそらくハイバーネーションの利用を想定しての事だろうと考えたが、まず利用する事は無いだろうと判断。CドライブをFAT32へ変更する。これはドライブコンバータを装備しているので容易。
 続いてLinux用のパーティションを用意せねばならないが、Dドライブは空っぽのためかFIPSが利用できないようである。そこでFDISKを使用して、パーティションを切り直す事にした。Windows用に約3GBを残し、約5GBをLinux用に切り直す。さてインストールの開始である。

 問題発生
 CD-ROMを挿入して起動すると、通常は選択画面の後にハードウエアのプローブが行われ、GUIインストーラが起動する。しかし垂直周波数が合わないのか、正常に表示できない。仕方なくTextモードでのインストールを行い、後でX設定を行うようにしてみた。
 Textモードでのインストールの終盤でX設定があるが、何度やっても失敗。とりあえずキャンセルしてインストールを終了する。
 再起動後、XF86Setupで設定を試みるが、ここで変な事に気がつく。インストールしようとするノートPCはATI Rage Mobility-P と言うビデオカードで、SVGAサーバーとなるはず。ところがSVGAサーバー自体がインストールされていないのである。これでは X Window Systemは起動出来ない。では手動で行おう。以後は書籍の助けを借りた。

 CD-ROMをマウントして、
[root@server /root]# rpm -i /mnt/cdrom/Vine/RPMS/XFree86-SVGA-3.3.6-13vl14.i386.rpm
[root@server /root]# rm -f /etc/X11/X
[root@server /root]# ln -s /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA /etc/X11/X
 SVGAサーバーをインストールした後、デフォルトでは640x480となっているため、XF86Configに手を加える。解像度の部分へ1024x768を追加した。

 おもむろに startx とすると、見慣れないWindowMakerが起動して来た(笑)
 解像度は1024x768である。LinuxConfなどを確認し、ランレベルを変更。GUIログインも動いてもらう。
 再起動後はGnomeを選択してrootログインし、必要な設定を施し、ユーザーでログインし直す。自分流の環境を設定してVineLinuxでのXFree86環境が完成。若干不要なドライバなどを読み込んでいるような気もするため、近い内にKernelの再構築に挑戦しよう。

 ○参考までにインストール手順の途中を記録しておこう。
 マルチブートが目的の場合は「インストールの種類」で「カスタム」を選択せねばならないようだ。他を選択してみた事は無いが、Windowsが消されてしまうと言う話を聞いたことがある。
 パーティションの設定については書籍によって記述がまちまち。どれでも良いのかも知れないが、私が設定したのはスワップと/のマウントポイントだけである。本来適切な切り方が存在するのであれば、FreeBSDのインストーラのように「標準設定」が選択できる機能もあって欲しいが、実はLinuxのインストーラではディスク領域をしっかり管理出来ていないらしい。なんて書いても読者は不安がらないように。。。

 ノートPCへのインストールでは正常に完了できずに後から手動で設定したが、通常プローブに成功した場合のX設定は慎重に行うべきであると考える。特に解像度については、容易に切り替えできれば(CTRL&ALT&"+")問題無いが、切り替えできないケースもあるようだ。何度も「この設定をテストする」で表示してみて、自分が納得できる解像度(大きさ)が表示された時点で先へ進みたい。

 また、現在のバージョンではサウンドに未対応のようである。自分でソースを解析し、手直し出来る人はやってみると良いが、デフォルトでは音は正常に出ない(ビープ音は可能)。

 上記は間違い。GUIログインを終了して、コンソールからセットアップを行うとサウンドは正常に機能する。ちなみに音楽CDをトレイに入れると、なんともきれいな音色が出てきた。自動起動するアプリケーションとは別にMP3対応のアプリケーションがあり、イコライザも装備しているので音質にこだわる人にも最適。ただし、イベントのサウンドは見直した方がいいと感じる。ちょっとやかましい(爆)

 さらにこんな事は知っている人は知っているのだろうが、私自身は感心したので記録しておく。
 各ウインドウの「最大化ボタン」は3種類の機能があるようだ。最大化ボタンを右クリックすると、横幅だけの最大化。左クリックすると普通の最大化。中クリックすると縦の高さが最大化する。これはなかなか面白い機能ではないか。
 また、シェード(タイトルバーをダブルクリック)はまるでMacintoshのようで面白いのだが、果たして利用頻度は???


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25/February/2001
20/March/2001 Updated