Windows環境におけるPerl実行環境構築

 最初にお断りしておきます。この「Perl実行環境構築」の解説は、Windows95/98またはWindowsNTWorkstation/ServerでPerlを実行する環境を構築しようとする方向けの参考資料です。以下の解説の前に、http://w4.lns.cornell.edu/~pvhp/perl/ntperl.htmlを参照する事をおすすめします。WindowsNTServer環境でのPerlがいかに危険であるかを解説しています。

 普段利用しているパソコンでCGIを実行させるためには、Webサーバーシステムと同時にPerlインタープリターが必要です。その環境を構築する方法を述べます。
 解説は私の経験に基づくものです。記述に誤りなどがあれば、ご指摘いただけると幸いです。より正確な情報を公開出来るよう努力して参りますので、みなさまのご意見をいただけたら、と考えます。
1.Perl for Win32
 まず必要な道具をそろえなくてはなりません。最初にインターネットからモジュールをダウンロードしましょう。必要なものは、
http://www.activestate.com/pw32/
にあります。現在のバージョンは
Build3.16のようです。(04/Feb/2000現在)
 また、
HTML内で利用できるPerlScriptを動作させるために必要なActivePerlも提供されており、こちらは上記のインタープリターを含みます。

 配布されている
CGIスクリプト(拡張子cgiのもの)を実行させるには、上記のPerl for Win32で結構です。ダウンロードサイトに存在する、Pw32i316.exeをダウンロードして下さい。
 注意:ダウンロードの際には、くれぐれも「実行」を選択しないようにして下さい。Perlはインストールに失敗しやすいソフトである上に、環境設定段階で最初からやり直すケースも考慮しなければなりません。必ずパッケージを保存して下さい。
 また、ファイルサイズを必ず確認しておいて下さい。ダウンロード中に壊れる可能性もありますので、サイズの確認は必要です。

2.JPerl for Win32
 これは日本語化パッチです。日本語
Perlを実行させるために必要です。
http://homepage2.nifty.com/kipp/perl/index.html
 この鈴木紀夫氏のサイトでは
ActivePerlの日本語化パッチを配布しています。インストール方法も解説されていますので参照する事とし、ここでは省きます。

3.インストール手順
 まず最初に
Webサーバー機能が稼働しているか確認します。PWSなどがインストールされているのであれば、コントロールパネルやタスクトレイから起動します。インストールされていない場合は、Windows95Windows98で手順が異なりますので、以下を参照して下さい。
 
Windows95の場合はOSR2以降のOSパッケージに添付されているPWSをインストールします。それ以前のパッケージには含まれていないので、Microsoftサイトからダウンロードする必要があります。また、最近ではASPなどを解説する雑誌の付録に添付されているケースもありますので、手元に無いか確認してみるといいでしょう。
 
Windows98は標準でPWSを持っており、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」でインストール、アンインストールが出来ます。

 
PWSのインストールが確認できたら、Perlのインストールへ進みます。

 まず、
Pw32i316.exeを実行します。[Perl for Win32-x86 Binary by ActicWave Internet Corp...]のコメントが出れば、OKをクリックします。
 ファイルを解凍する画面が出てきますので、
perlをインストールしたいディレクトリを指定し、Unzipをクリックします。初期のインストール先はc:\Perlとなります。特に問題がなければその通りで構いません。

 続いて
DOSプロンプトが起動されます。[Do you wish proceed?(Y/N)]には[Y]と入力しEnterを押します。後は画面の指示通りに進みます。最後の近くで[Perl 95 installation finished.]と出ればOKです。処理の完了を確認したら、DOSプロンプトを閉じて下さい。

 ここで一旦
PCを再起動しましょう。この仕組みに慣れている方はこのまま進んでも構いませんが、初めての方や慣れていない方は再起動した方が良いでしょう。これはインストーラーがAutoexec.batを書き換えて、Perlへの実行パスを加えているためです。

 次に日本語パッチを当てます。ダウンロードしたパッチ
316j118b.exe(ファイル名は変わっている可能性があります)を実行します。
 
Perl for Win32と同様な手順で進みます。「現在の設定の変更」で選択画面が出てきます。[Y/N]にはすべて[Y]で応えて下さい。文字コードのデフォルト選択はShift JISで結構です。
 終了して
DOSプロンプトを閉じると完了です。

4.インストール確認と最終設定

 インストールが正常に行われていれば、次の動作で
Perlが反応します。
 
DOSプロンプトを起動します。コマンドラインで"perl -v"と入力して下さい。
 
PerlCopyrightやバージョンが表示されればOKです。

 次に
JPerlの確認を行います。
 
Perlと同様にDOSプロンプトで"jperl -v"と入力します。同じような文章が表示されるはずです。

 ここで反応が無かった場合、あるいはエラーになった場合は最初のダウンロード中にファイルが壊れてしまっている可能性もあります。

 最終確認はレジストリ・エディタで行います。処理する前にレジストリデータベースのバックアップを取って置きましょう。

 
◎レジストリ確認方法
 「スタート」−「ファイル名を指定して実行」を選択し、
REGEDITとエントリします。レジストリ・エディタが起動します。起動しない場合は、Windowsフォルダにある、Regedit.exeを起動させます。
 
[HKEY_LOCAL_MACHNE]-[SYSTEM]-[CurrentControlSet]-[Services]-[W3SVC]-[Parameters]-[Script Map]を選択します。このキーの中にWeb環境での実行設定があります。PWSの先行インストールですでに関連づけられている拡張子が存在すると思いますが、[.cgi]が設定されているか確認して下さい。存在しない場合の手順は以下の通りです。

 「編集」メニューの「新規作成」から「文字列」を選択します。
[New Value #1]という名前のついた「文字列」が出来ますので、[.cgi]に変更します。
 続けてその「文字列」を選択してから「編集」メニューから「変更」を選択します。「文字列の変更」ダイヤログボックスが表示されますので、「値のデータ」欄にインストールした
Perl for Win32をフルパスで登録します。[c:\Perl\bin\Perl.exe %s %s]とします。このパスはインストール時に選択したパスで、Perl.exeが存在するか事前に確認しておいて下さい。

 
PWS設定方法
 最後に
PWScgiの実行ディレクトリを設定します。
 タスクトレイにある
PWSアイコンか、コントロールパネルのPWSから「管理」を選択し、「インターネットサービスアドミニストレータ」を呼び出します。
 
PWSのバージョンが4.0の場合は、異なりますので注意して下さい。PWS4.0の場合は、Explorerから設定可能です。

 
PWS4.0以前の場合は、上記「インターネットアドミニストレータ」から「WWW管理」-「ディレクトリ」-「追加」を選択し、CGIファイルを置くディレクトリを指定します。PWS1.0の場合は、c:\WebShare\wwwroot\cgi-binを指定します。c:\WebShare\wwwroot\cgi-binフォルダが存在しない場合は作成して下さい。「アクセス」の「読みとり」と「実行」にチェックをつけます。これで[http://マシン名/cgi-bin/]cgi実行ディレクトリとなります。

 
PWS4.0以降はExplorerのフォルダプロパティに「Web共有」が追加されます。ただしPWSを起動しておかないと機能しませんので注意して下さい。
 「
Web共有」で上記と同様にCGIファイルを置くディレクトリを指定し、「読みとり」と「実行」を許可します。

 以上で設定は完了です。

 

改訂履歴
21/Sep/2001 一部改正:リンク切れ等

 
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